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天碧の果て

天碧の果て

ミッドウェイ海戦(下)

本海戦の影響
山本長官が戦前に、日本は開戦から半年、もって1年は優勢を維持することができるが、それ以降はアメリカ(と連合軍)の国力が日本を圧倒するだろうと述べていた通り、開戦から6ヶ月目に当たるこの戦いの敗北以降、同年に行われた第一次ソロモン海戦や南太平洋海戦、翌年初頭に行われたレンネル島沖海戦では勝利を手にするものの、ニューギニアやマキン・タラワ島をめぐる戦いで敗北を期すなど、1年を経たずに日本の戦局は徐々に悪化した。その後、開戦後2年が経った1943年の年末には日本軍の敗色が濃くなった為、後年太平洋戦争の転換点とも評されるようになった。

また、本海戦で損失した航空戦力を補うため、大和型戦艦の3番艦は急遽装甲空母への改装が決定され、空母「信濃」となる。戦艦伊勢・日向は航空戦艦となった。 商船改装の空母の建造や、飛龍を元にした雲龍型空母の15隻追加建造計画を立てるが完成したのはわずかであった。また、熟練搭乗員を大量に失ったことによって、空母の数ではこの状態を上回っても、質的にはかなり下回る内容でしかなく、結局日本海軍は、このとき失った戦力を二度と持つことはなかった。

作戦失敗により短期決戦早期講和派は発言力を失い、軍令部、大本営は長期戦を主軸とした戦略の転換を行わざるを得なくなる。また、大本営は本海戦戦果を空母ホーネット、エンタープライズを撃沈、味方の損害は空母一隻、重巡洋艦1隻沈没、空母一隻大破と国民に発表することによって士気の阻喪を防ごうとしたが、これ以降国民に対して嘘の戦果報告を行なうようになり、この状態は日本海軍がなくなる日まで続くようになる。また、これは正確な戦果確認が出来ていた開戦初頭に比べて、戦果確認さえまともに出来ない経験不足の搭乗員が増えたことも大きい。

アメリカ軍は航空戦力の優位性を確信し、それまでは単鑑による作戦行動が多かった空母の運用を空母部隊の集中運用するようになり、エセックス級の大型空母の建造やタンカー改装の護衛空母の建造を積極的に行う。このため、マリアナ沖海戦やレイテ沖海戦では20隻もの大艦隊を運用するようになる。

もしも日本軍が勝利し、ハワイ攻略に成功した場合、早期講和が成ったか、またさらにはアメリカ西海岸への上陸作戦が行われたかについての議論があるが、アメリカ人の国民性から考えて戦意喪失は考えられず、結局戦争全体が長引いたに過ぎないという説が主流である。






参加兵力
一部抜けている艦船あり




日本軍

連合艦隊(主力部隊) 司令長官:山本五十六大将
第一戦隊 連合艦隊司令長官直率
戦艦:大和、長門、陸奥
第三水雷戦隊
軽巡洋艦:川内
第一一駆逐隊
駆逐艦:吹雪、白雪、初雪、叢雲
第一九駆逐隊
駆逐艦:磯波、浦波、敷波、綾波
航空母艦:鳳翔
駆逐艦:夕月
特務隊
潜水艦母艦:千代田
水上機母艦:日進

第一艦隊(主力部隊) 司令長官:高須四郎中将
第二戦隊
戦艦:伊勢、日向、扶桑、山城
第九戦隊 司令官:岸福治少将
軽巡洋艦:北上、大井
第二四駆逐隊
駆逐艦:海風、江風
第二七駆逐隊
駆逐艦:夕暮、白露、時雨
第二〇駆逐隊
駆逐艦:天霧、朝霧、夕霧、白雲
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第二艦隊(攻略部隊) 司令長官:近藤信竹中将
第四戦隊第一小隊 司令官:近藤信竹中将
重巡洋艦:愛宕、鳥海
第五戦隊 司令官:高木武雄中将
重巡洋艦:妙高、羽黒
第三戦隊第一小隊 司令官:三川軍一中将
戦艦:金剛、比叡
第四水雷戦隊 司令官:西村祥治少将
軽巡洋艦:由良
第二駆逐隊
駆逐艦:五月雨、春雨、村雨、夕立
第九駆逐隊
駆逐艦:朝雲、峯雲、夏雲、三日月
航空母艦:瑞鳳
第七戦隊(支援隊) 司令官:栗太健男中将
重巡:三隈、最上、熊野、鈴谷
第八駆逐隊
駆逐艦:朝潮、荒潮
第二水雷戦隊(護衛隊) 司令官:田中頼三少将
軽巡洋艦:神通
第一五駆逐隊
駆逐艦:親潮、黒潮
第一六駆逐隊
駆逐艦:雪風、時津風、天津風、初風
第一八駆逐隊
駆逐艦:不知火、霞、駆逐艦、霰
第一一航空戦隊 司令官:藤田類太郎少将
航空母艦:千歳
駆逐艦:早潮
第二連合特別陸戦隊

第一航空艦隊(第一機動部隊) 司令長官:南雲忠一中将
第一航空戦隊 司令官:南雲忠一中将
航空母艦:赤城、加賀
第二航空戦隊 司令官:山口多聞少将
航空母艦:飛龍、蒼龍
第八戦隊 司令官:阿部弘毅少将
重巡洋艦:利根、筑摩
第三戦隊第二小隊
戦艦:榛名、霧島
第十戦隊 司令官:木村進少将
軽巡洋艦:長良
第四駆逐隊
駆逐艦:嵐、野分、萩風、舞風
第十駆逐隊
駆逐艦:風雲、夕雲、巻雲、秋雲
第十七駆逐隊
駆逐艦:磯風、浦風、浜風、谷風
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第五艦隊(北方部隊) 司令長官:細萱戌子郎中将
本隊 第五艦隊司令長官直率
重巡洋艦:那智
駆逐艦:雷、電
第四航空戦隊(第二機動部隊) 司令官:角田覚治少将
航空母艦:龍驤、隼鷹
第四戦隊第二小隊
重巡洋艦:高雄、摩耶
第七駆逐隊
駆逐艦:潮、曙、漣
第一水雷戦隊(アッツ攻略部隊) 司令官:大森仙太郎少将
軽巡洋艦:阿武隈
第二一駆逐隊
駆逐艦:若葉、初春、初霜
陸軍北海支隊
第二一戦隊(キスカ攻略部隊) 司令官:大野竹二大佐
軽巡洋艦:木曾、多摩
第六駆逐隊
駆逐艦:響、暁、帆風
舞鶴鎮守府第三特別陸戦隊
第一潜水戦隊 司令官:山崎重暉少将
第二潜水隊
第四潜水隊
第十五潜水隊
第二潜水戦隊 司令官:市岡寿少将
第七潜水隊
第八潜水隊
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第六艦隊(先遣部隊) 司令長官:小松輝久中将
本隊
軽巡洋艦:香取
第八潜水戦隊(先遣支隊)
潜水母艦:愛国丸、報国丸
潜水艦:8隻
第三潜水戦隊
潜水母艦:靖国丸
潜水艦:伊一六八を含む6隻
第五潜水戦隊
潜水母艦:りおでじやねいろ丸
潜水艦:9隻






アメリカ軍
第17任務部隊

司令官 フランク・フレッチャー少将
第2群
重巡 アストリア - ポートランド
第4群
駆逐艦 ハンマン - アンダーソン - グウィン - ヒューズ - モリス - ラッセル
第5群
空母 ヨークタウン
第16任務部隊

司令官 レイモンド・スプルーアンス少将
第2群
重巡 ミネアポリス - ニューオーリンズ - ノーザンプトン - ペンサコラ - ヴィンセンス
軽巡 アトランタ
第4群
第1水雷戦隊
駆逐艦 フェルプス - ウォーデン - モナガン - エイルウィン
第6水雷戦隊
駆逐艦 バルク - コニンハム - ベンハム - エレット - マウリー
第5群
空母 エンタープライズ - ホーネット
ミッドウェー島守備隊

航空戦力
第22海兵航空群
第7陸軍航空軍分遣隊
地上部隊
第2急襲大隊
第6守備大隊
第1魚雷艇戦隊


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